鉄輪温泉/小鹿田

台風をまたもやうまくすり抜けて九州本土へ帰還しました。
駅前のゲストハウスにチェックイン。

鹿児島でのミッションは、種子島包丁を購入すること。
しかし種子島の物産店へ行っても、商店街の金物屋へ行っても置いてません。
料理人や関係者の間では、京都の「有次」くらい有名なのですが、
地元の人に聞いても誰ひとり知りませんでした。
てっきりなんでも手に入る東京の気持ちでいたのがまずかった。
その土地に行けば簡単に見つかると思っていた自分がバカでした。
後日ふつうにインターネットで注文し、無事実家で受け取りましたが。

温泉という名の銭湯に入りました。
なんでも鹿児島に銭湯は存在しないそうで、銭湯タイプのものもほぼ源泉だそうです。
番台のおばちゃんに「今日が最後の鹿児島なんですけど、記念に何食べるべきですかね?」
と尋ねると、「そうねえ、黒豚とか、鶏の刺身とか…」と言うので
やはり腹をくくって、しゃぶしゃぶを食べることにしました。
地鶏は熊本でも食べられるし。
最後まで「魚食べたい」と言っていた彼ですが、
さすがにしゃぶしゃぶスタイルを目の前にすると、わくわくな様子。
何たって、私ですら外食でしゃぶしゃぶ、しかも黒豚なんて人生初ですから。
「今夜は多少値はるけど大丈夫?」と念のため聞いてみると、
「それでもパリの食事に比べたら格段に安いよ」の返答。まったく同感です。

焼酎のメニューの数にびっくり。まるで図鑑です。さすが鹿児島。
まったくわけわかんないので、接客のお姉さんにすべて決めてもらいました。
やっぱり自分の知らない分野の通訳は、つくづく辛い。
挽きたてのすりごまにぽん酢、野菜ダシにゆず胡椒の2種のたれで食べるしゃぶしゃぶは
こんなに格調高いものか!と唸るほど美味しかったです。
これこれ、ちゃんと値段に見合った料理を提供してくれるのが日本のすごいところ。
最後の残り汁で食べるラーメンもまた素晴らしい美味しさで、
私の料理の神髄でもある「ダシは母なり」を存分に堪能できる食事でした。
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さて翌日はついに青春18きっぷで移動です。
なんせ8時間の鈍行北上列車ですから、目的地の別府に着いた頃には
彼はもう枯れ葉のようになっていました。
私は72時間列車を経験したことがあるのでへっちゃらでしたが。
むしろ8時間の車窓風景をたのしむのに忙しかったくらいです。
霧島で大量のおじいさんおばあさんが降り、
台風でダイヤが乱れた影響もあって宮崎県をゆ〜っくり縦断し、
大分県では海岸沿いを走りと、計5回も乗り換え。
とくに宮崎と大分の県境の秘境は印象的でした。
こんな漫画みたいに森を突き抜ける列車が日本に存在するとは!
一生の思い出です。

別府からまたバスに乗り、鉄輪温泉へ。
バスのアナウンスが英語と韓国語でも流れるあたり、さすがの観光地ですね。
ここに今回の旅行で私がいちばん宿泊したかった宿があるのです。
「陽光荘」という大正期からある湯治場で、
なんと温泉街に湧き出る天然蒸気を利用した、蒸し竃があるのです。
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この共同竃で自炊しながら温泉地を旅行できるなんて、夢みたいです。
きのこ、白菜、豆腐、玉子、オクラ、とうもろこしなどいろいろ蒸しました。
翌日は疲れてるので、老人のようにひたすら温泉街を散歩。
どこからでももくもく立つ煙と、しなびた雰囲気がとてもよい。
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本気の純喫茶でクリームソーダも頼みました。
床屋みたいな品揃えの漫画などもあって、日本に来てる感でいっぱい。
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午後は、パリ在住の山口出身の友達も同じ時期に帰省していて、
私のスケジュールに合わせてわざわざ大分まで会いにきてくれました。
みんなで良い感じの食堂へ。なぜか冷麺を頼んでしまいました。
昨夜食べた、大分名物3点セットも美味しかった。
たしか「だんご汁」「りゅうきゅう」「とり天」でした。
謎のりゅうきゅうは、ヅケまぐろみたいな感じで雑魚をあまみ醤油でマリネしたもの。
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夜は八百屋の終了間際で半額になっていた「海鮮地獄蒸しセット」を蒸したのと、
ごはんも炊いて薬味味噌で食べました。
残りの殻でダシをとって、しゃぶしゃぶを思い出してちゃんぽん麺も作りました。
なんたる老人のような旅。いっそのこと演芸も見ればよかった。
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夜、ちょっとした事件が。
明日小鹿田のやきものの里へ行くためのレンタカーを予約しようと電話したのですが、
運転するのは私ではなく、国際免許証を持ってるフランス人ですと答えたところ、
「フランス国籍の方はジュネーブ条約に加盟しているので、国際免許証ではなく、
 自国の免許証、JAFが発行する免許証の翻訳書、パスポートが必要です。」
と言われてしまい、「え、じゃあ借りられないってことですか?」と尋ねると、無言。
そんなジュネーブ条約の誰かが日本のレンタカー会社までわざわざ調べにくることは
絶対ねえよ!とフランスにいる感覚でもう思ってしまうのですが、
こういうくだらないきまりも守ってしまうのが日本ですもんね。
とにかく大手レンタカー会社では借りることができなく、屋久島で借りたような
別府駅前の個人経営っぽいところで無事借りることができました。

そのレンタカーですが、なんでもNISSANの新しく出たばかりの軽自動車だったのですが、
じつは私の彼は、RENAUTというNISSANと提携(?)してる
フランス車メーカーのエンジニアなので、この新車はもちろんフランスではまだ見ていません。
いきなり前のボンネットを開けだし、エンジン構造確認。「燃費いいね。」と一言。
前のボンネット開ける人はじめて見ました。職業がうかがえておもしろかったです。

レンタカーの人にカーナビ音声を英語にしてもらい、出発。
大分の人気を別府と二分している町、日田へ行きます。
通り道なのでついでに湯布院へも行きます。
湯布院から別府までの「もはや阿蘇高原?」みたいな広野も印象的でした。
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まずは日田へ行き、やきものの里小鹿田の情報収集。
なんせ慣れてないので私がカーナビの使い方がよくわからず、
住所でしか目的地が入力できないので、住所がわからないとお手上げなのです。
日田の旧市街(とは言わないか)には小鹿田のやきものを扱っているところもあり、
さっそくそこの主に行き方を尋ねます。
日田自体も素敵な町そうだったけど、ドライブ時間が長くなると彼の機嫌が悪くなるので、
寄り道はぜずにできるだけ目的地のみをピンポイントに。

ほんとうにココに来てよかった。
なんとまあ素晴らしい里があるもんだ九州。
こんな場所でなら修行できるかも、と思わせるくらいの場所。
もちろんやきものも素敵ですが。
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小鹿田のどんぶりを使ったお蕎麦屋さんで蕎麦を食べてゆっくりしたら、
湯布院へ向けて帰ります。
思った以上に観光地だったのに驚きましたが、
いったい湯布院に温泉以外の何があるかもまったく知らないまま訪れてしまったので、
とりあえず人に聞くために選んだのが、なぜか骨董品屋。
しかしその店主のおばさんからなかなか的確なアドバイスを頂戴し、
地元の人がよく入る温泉を教えてもらいました。
「下ん湯」というヘンな名前のこの温泉。
さっそく行ってみると、まるで屋久島の再来かのように、200円を貯金箱に入れて
好きなように入ってください的な露天風呂。
周りは観光客でいっぱいだけど、もう私はふっきれているので入りますよ。
公然と堂々と昼間から入るお風呂って、なんて気持ちいいんだろう。
ちなみに湯布院の写真は、なぜかこのヘルメット干してる写真しかないです。
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私は大分が今回いちばん印象に残った旅行です。
九州の中でもさすがに知名度があるだけのことはある。
次回はいよいよ中盤戦の熊本です。
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# by uncoblicco | 2013-10-25 01:37 | EU旅行


世界中の自然の音や日常の音を録音して廻り、チェロの音と合わせた作品を作ってたのは過去の話。うんこ記録も終了。現在アフリカ目指してパリ在住。


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