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Arabeって

サリュー
パリはピーカンな青空が続き、洗濯日和ですが、
窓を開けるとまだまだ風が冷たい、そんな3月はじめです。
パリに来て3ヶ月が経過。
ようやく、"face en face"(1対1)でしかも
lentement(ゆっくり)話してくれると、
普通に会話できる程度のフランス語になってきました。

私の通う語学学校は、パトロンが中国人で、
場所も思いきり中国人街であるパリの13区に位置しているので、
もちろん学生の80%は中国人です。

私的にはこの現状を不満に思った事は一度もありません。
中国には何度も旅行しているので実態もよく知っており、
「中国人大好き!」とまでは言わないものの、
たとえ学校内のトイレの使い方が現地並みに汚くても、
今のところ好感を持って接しております。
中国語訛りのフランス語を聞き取る苦労にもだいぶ慣れてきました。

この学校を選んだいちばんの理由は、驚くべき授業料の安さですが、
かといって教育が劣っているとも思えないので、何の問題もありません。
教師陣も多国籍で、ポーランド、モロッコ、セネガル、韓国など。
なので私の先生がイラン人であっても、
彼は先生としてのキャリアも長く、フランス語もほぼ完璧なので
普通の語学学校の授業とそんなに変わりはないと思われます。
まあ厳密に言うとやはり母国語フランス語の人とは若干
prononciationが違うのですが、私のような初歩レベルには関係ないでしょう。

昨日授業中に、métissage(混血、ハーフ)の話題になり、
"Le cheval pur sang arabe"
日本語で言う馬の「サラブレット」を例文に取り上げていて
私は知らなかったのですが”アラブ馬”という種の馬があるようなので、
「ああ、あなたの国の馬なのね?」と気軽に返したところ、
彼が怒り出してしまいました。
彼は私に、そこまでの悪意ではないのですが
「君は中国人かい?」と言いました。

私は4年前、それまでインド止まりだったアジア旅行から
西へユーラシア大陸を渡り、パキスタン→イラン→トルコ→グルジア→
シリア→レバノン→ヨルダン→アラブ首長国連邦→イエメン→エジプト→
終点イスラエルと、約6ヶ月かけて中東諸国を旅しました。
もちろん地図も情報もなし。首都がどこかも知らない国へダイレクトです。
中国旅行でもそうでしたが、現地で会う旅行者は日本人外人問わず、
その国の歴史をよく知っているようで、
なるほど、事前の予備知識があれば、こんなにも深い旅ができるのか、
と関心させられたのでした。

なのでイランに関しても、確かほかのイスラム教とは系統が違うんだよね?
スンニ?シーア?どっち?程度の知識で、
足を踏み入れたにもかかわらず、聖地マシュハドに行ったにもかかわらず、
その歴史的文化的背景まで深くかみしめる旅行はしていないと
薄々気づいていました。
もっとも、それが旅行としての理想のカタチなのかと言われると
それもまた違うとは思いますが。

もちろんその先生も私がイランを旅行していることは知っているので
「なんでそんなこと言うんだ?」と驚いていました。
私は正直に「”アラブ”って区域で言うとどこからどこまでかわからない」
と答えました。
私はつい最近まで”関西”が、本州の岐阜あたりから西すべてのことを言うと
ずっと思ってきたような人間です。
要するに、本州が”関東”と”関西”の2つに分類されると思っていたのです。
北海道出身だと、こうゆうことになるんです。

彼の話だと、”アラブ”とは世界地図で言う「アラビア半島」の国のこと。
および、アラビア語を話す北アフリカと中東の国々を指すようです。
「じゃあ、あなたは?」と質問すると、"Perse"。
ペルシャだと言われて納得。
ということは、トルコ、イラン、パキスタンはアラブにあらず。
行ったこと無いけど、アフガニスタンとイラクはどうなんだろう?

話を戻します。
「君は中国人かい?」と言われて、
イランの首都テヘランで同じことを言われたのを思い出しました。
それこそ中東や北アフリカの街を歩いていると、
決まって「チノ、チノ」と私に向かって男たちが馬鹿にしてくる。
それが”中国人”を意味する差別用語とは勿論知っているけど、
私は中国人ではないし、何とも思わないので
言われる度に無視していました。

ところがある日、テヘランの街を日本人の女の子と一緒に歩いてた時、
同じように男たちに「チノチノ」言われて、突然その女の子が
手に持っていた”地球の歩き方”の丸めたものを、男のアゴに突き出し、
「Are you Indian?」(テメーはインド人か?)と食ってかかったのでした。
男は驚き、オーオーとか言ってそのまま立ち去ったのですが、
「ほんっと頭悪い。あいつら、インド人に間違えられるのが一番嫌なんだよ」
とその子は言い、へー気にするモンなんだ、と思ったのでした。

私が昨日の授業での出来事でいちばん気になったのは、そこです。
中国の生徒が9割の私のクラスで、日本人の私に向かって
思いっきり”中国”という差別用語を公言してしまった先生。
そのくらいのことを発言してしまったんだなあと、軽いショックでした。
無知とは怖い。

言いたいことはまだまだたくさんあるけれど、
これ以上長くしたくないので止めます。
by uncoblicco | 2011-03-09 00:02 | パリの日々


世界中の自然の音や日常の音を録音して廻り、チェロの音と合わせた作品を作ってたのは過去の話。うんこ記録も終了。現在アフリカ目指してパリ在住。


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